4.スノーボードの板

スノーボード/スノボの板は、滑り方の多様化に合わせて、どんどん進化しています。 自分の滑り方に合わせた板を見つけると、滑りやすくなります。

各部の名称
スノーボードの板 正面 スノーボードの板 横

板の種類
スノーボード/スノボには、様々な形の板があります。

ディレクショナル
ターンがしやすいように、ノーズ側のサイドカーブは緩やかに、テール側のサイドカーブはきつめになっています。 初心者でも乗りやすく、一番普及しているタイプです。

ツインチップ
スイッチスタンスでも滑りやすいように、板の前後が全く同じ形になっていて、板の中央に乗ります。 グラトリなど、スイッチスタンスで滑ることが多い時に使います。

パウダーボード
ノーズが幅広になっていて、パウダーで浮きやすくなっています。 また、セットバックで乗るため、テールが大きいと雪の抵抗が大きくなってしまいます。 雪の抵抗が少なくなるように、スワローテール(二股になったテール)などになっているものもあります。

アルペンボード
アルペンで使用する板で、フリースタイルの板よりも長めで、硬く、 高速滑走時にターンをコントロールしやすくなっています。 また、スイッチスタンスで滑ることがないため、テールは切り落とされたような形になっています。

構造の違い
スノーボードの板は、製造方法の違いにより、キャップ構造とサンドウィッチ構造があります。
サンドウィッチ構造は、上下に板を張り合わせ、周囲をサイドウォールで覆った構造になります。
キャップ構造は、コアになる板に、上からふたをしたような構造です。 サイドウォールが無いので、エッジ付近の強度が弱く、 カービング時に踏ん張りがきかないなどと言われることもありますが、それは昔の話です。 現在は、製造技術も進歩し、エッジ付近を補強するなどしてあるため、 普通にゲレンデを滑るにはまったく問題ありません。 機械を使って大量生産できるため、販売価格を安くすることができます。

インサートホールの種類
バインディングを止めるためのねじ穴をインサートホールといいます。 インサートホールのパターンは3種類ありますが、フリースタイルでは、ほとんどが2×4(ツーバイフォー)です。

インサートホールの種類

ソールの種類
スノーボードのソールは、特殊なポリエチレンで出来ていて、製造方法の違いで性質が異なります。 ポリエチレンは、滑りやすいだけでなく、 衝撃に強く、磨耗しにくく、薬品にも強く、吸水による寸法の変化が少なく、しかも寒くても 特性が変わらないため、スキーやスノーボード/スノボのソールには最高の素材なのです。

エクストルード
滑走性能に関しては、ワックスしても、しなくても、大きな差はありませんが、 ソールの保護という意味では、ワックスをかけた方が良いでしょう。 バックカントリーなどで、ホットワックスができない状況が何日も続く場合などは便利です。 また、修復が容易なので、ジブなどでソールに傷がつきやすい滑り方をする場合の 選択肢にもなります。

シンタード
ワックスをかけないと、エクストルードのソールよりも滑らないので、 定期的にワックスをかける必要があります。 ワックスしないで滑っていると、ソールが毛羽立ってしまい、ヤスリで削らないと 元には戻りません。こまめにメンテナンスする人向きのソールです。

金属類含有ソール
スノーボードで滑っていると、雪との摩擦により、ソールに静電気が発生し、 その静電気によって、雪上の細かいゴミがソールに付着すると言われています。 春先などの雪が汚れている時期は、ソールが汚れて滑らなくなります。 金属類含有ソールは、摩擦による静電気を放電するため、金属類(グラファイト、ガリウム等)を混ぜてあり、 ソールが汚れにくくなっています。

板の硬さ(フレックス)
スノーボード/スノボには、板の「しなり」が必要です。 「しなり」が無ければ、ソリの上に立って乗っているようなものです。 スノーボードに最適な「しなり」を得るために、各メーカーが様々な硬さの板を開発しています。 板の硬さは均一ではなく、中央部分と両端部分で違っていて、 コアの材質(木の種類など)を変えることにより、硬さを調節しています。

板の重量
板を持ち上げた時の重さの他に、回転させた時の重さ(スウィングウェイト)があります。 スノーボードの板は長さがあるので、ノーズからテールまで均一の重量配分の板よりも、 板の中心が重く、両端が軽い板の方が回転させた時に軽く感じます。
ただし、両端が軽すぎると、スピードを出して滑った時に、バタバタと振動することになります。 スウィングウェイトを軽くして、スピードを出してもバタつかない板にするには、 「しなり」を犠牲にして、板を硬くすることになります。

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